台湾有事で自衛隊はどう動く?

直接日本が攻撃を受ける事態、それを「武力攻撃事態」と呼びますが、日本はその時はじめて、憲法に基づき「個別的自衛権」による武力行使が可能となります。
その憲法解釈を変更し、2015年に安保関連法が成立。これにより、「個別的自衛権」に加え、日本が直接攻撃を受けていない場合でも、「集団的自衛権」による武力行使が可能となりました。ただ、行使できる事態については憲法9条に従い、極めて限定した形で規定されたのが「存立危機事態」です。
アメリカなど、密接な関係のある「他国が攻撃を受け、その結果、日本の存立が脅かされ、国民の生命・自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」だと規定されています。
高市総理は11月7日、「台湾で『海上封鎖』が発生し、中国が武力行使した場合は、『存立危機事態』になりうる」と答弁。つまり日本が武力行使しうると解釈できますが、実際、自衛隊はそうした状況でどう動くのでしょうか。
安保法制の成立当時、自衛隊制服組トップである統合幕僚長だった河野克俊さんに話を伺いました。

河野克俊 元統合幕僚長
「安倍政権になって集団的自衛権に踏み込もうと。しかし、今の憲法がある以上、フルの集団的自衛権は無理ということで限定的になった。日本は、台湾に紛争が発生したときに関与できる仕方というのは、日本単独ということは基本的にありえない。アメリカが介入するのが前提。アメリカがやられた、次は自分(日本)のところに迫ってくるという、ギリギリの状況でこの存立危機事態は発動される」
あくまでアメリカが攻撃を受け、危機的状況に陥らない限り、日本が武力攻撃すること(存立危機事態)はあり得ないと言います。
実は、こうした制約の大きい「存立危機事態」とは別に、もう一つ、重要なフェーズがあるのです。














