この1年の世相を表す「今年の漢字」。日本ではおととい、「戦」が選ばれました。同じ漢字文化圏のお隣・中国。今年はどんな漢字で表現される1年だったのか?北京の人たちに聞いてみました。
男性が選んだのは、中国語で「故人を偲ぶ」ことを意味する「懐念」という言葉からとった「念」という漢字。先月、江沢民元国家主席が死去したニュースが今年は印象的だったと語りました。
「念」と書いた人
「彼(江沢民氏)が行った改革開放は先進的なもので、とても価値があった。そのため、彼が死去したことは誰もが残念に思っていることでしょう」
一方、こちらの男性が書いたのは「楽」という字。
「楽」と書いた人
「今年は印象的なニュースが多かったが、多くは良くないニュースだった」
男性はこう1年を振り返り、あえてその反対の意味の漢字を選んだといいます。
「楽」と書いた人
「人生は楽しく過ごすものだ」
今年、中国で行われた一大イベントといえば、2月の冬季オリンピック。
記者
「中国外務省の記者会見場です。入り口の前にもビンドゥンドゥンが置かれています」
大会期間中、人気に火が付いたマスコット「ビンドゥンドゥン」の名前は、「今年、中国のネット上で最も話題となった言葉」のひとつにも選ばれました。
しかし、多くの北京市民が考える「今年の漢字」はやはり、新型コロナに関連したもののようです。こちらの女性が書いたのは「疲れた」という意味の「累」という漢字。
「累」と書いた人
「今年、コロナはみんなをかなり疲れさせました」
上海など大都市でのロックダウンに始まり、ゼロコロナ政策は厳しい封鎖や外出制限を人々に強いてきました。
「艱難」と書いた人
「コロナの感染拡大で不安が大きくなり、日用品を買い物に行くのに不便で、生活に支障をきたしました」
この女性は、非常に困難な状況を示す「艱難」という言葉を選びました。
「抗疫」と書いた人
「今年の生活のほとんどはこれ(抗疫)でしょ」
また、なかには、スケッチブックを裏返し、白い紙を見せる人も。中国では先月、白い紙を掲げてゼロコロナ政策や言論統制に抗議するデモが各地で行われました。
そして、最も多くの人が言及したのがこの1年の変化の大きさでした。
「大」と書いた人
「『変化が大きい』の『大』です。急速にコロナ対策が緩和され、こんなに大きく変化しました」
「変」と書いた人
「この2日間は突然、すべての制約がなくなって、夢かと思いました」
大規模な抗議活動を受け、中国政府はゼロコロナ政策を一気に転換。行動の自由が増えたことに期待も膨らみ始めているようです。
「由」と書いた人
「対策が緩和され、今後は良くなりそうです。みんな満足しているのでは?」
「変」と書いた人
「今年は私自身もいろいろなことを経験しました。決して後ろを振り返らず、勇気を持って前に進むべきだと思います」
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