クロノタイプは変えられる?早寝早起きのポイントは「光」

そういった不調を回避するためには、自分のクロノタイプに生活を合わせることが理想だ。しかし、それができる人ばかりではないだろう。

では、「クロノタイプの方を変えることはできないのか」

その問いに対し、志村さんはこう答える。

志村哲祥さん
クロノタイプ自体を変えることはできませんが、何時に寝起きするかは多少、調整・操作をすることは可能です」

クロノタイプは細胞に刻み込まれた情報のため、変更することはできない。しかし、現実の生活で3時間ほどであれば、寝起きする時間を調整することができるという。

ポイントは「光」
人間の体は、目の中に入る光の明るさによって「今は朝だ」「今は夜だ」と判断している。
そこで、“起きる際”と“寝る前”に浴びる光の明るさ・時間を調節することによって、体内時間を前進させたり遅らせたりすることができると指摘する。

この調整の鍵を握るのは「メラトニン」という物質だ。

メラトニンは、外界が一定以上暗くなった時間が、ある程度継続すると分泌されるもの。これを全身の細胞が受け取ることで「夜」だと認識する。メラトニンが分泌された2、3時間後に人は眠りにつくことができるという。

一方、暗くなると分泌されるメラトニンだが、100ルクス程度の暗めの蛍光灯の光を浴びただけでも分泌は抑制され、200〜300ルクス(一般的なリビングの明るさが)あれば、ほぼ完全に分泌が止まる。すなわち、体が「朝が来た」と認識を始めるのだ。

「朝」だと本格的に体に認識させるためには、強い光(理想的には朝日に相当する2500ルクス以上)が必要になる。ちなみに、一般的なコンビニの蛍光灯は約1000ルクスだ。

つまり、朝型化するためには、朝の早い時間(特に午前6時頃)に強い光(2500ルクス以上)を浴びると、体内時計は前進し、早寝早起きになるのだ。

反対に、夜型化にするには、夜の遅い時間(午後10時〜午前1時頃)に強い光を浴びることで、体内時計は遅延し、遅寝遅起きになる

したがって、夜型人間が早寝早起きをしたい場合は、日が暮れたらすぐに照明を数十ルクス以下に暗くして「夜」だと体に思わせ、朝は可能な限り早く強い光を浴びるように調整することが効果的だという。