妊活、政治、SNS――“言いにくいこと”をあえて描く理由
――政治だけでなく、妊活やSNSなど、連ドラに引き続きさまざまなテーマも盛り込まれていますね。
自分がすでに最先端じゃないのは理解してます。SNSもやっていないし見ないし。でも、常に今を生きる人の感覚で書かないといけないと思っています。
妊活も、連ドラの時に扱ってみて、反対側から見ると“そう見えるのか”と勉強になりました。ただ、いろいろな意見を全て聞いていたら、なにも書けなくなってしまう。書きたいことがどんどんぼやけていくので、そこは見失わないようにしています。
SNSで炎上する話題やその反応も、連ドラ放送時(2024年1月)とはもう違いますよね。未来の人が見たらどう思うのか、ということも考えました。
――阿部サダヲさん演じる市郎がさまざまな問題を言葉にしますが、代弁してくれている感覚はありますか?
第1話が「頑張れって言っちゃダメですか?」、第2話が「一人で抱えちゃダメですか?」と、“~ダメですか?”シリーズのサブタイトルをつけたのは、僕自身、全部“ダメ”なんだってことは分かっているけれど、それを口に出すことすらダメなのは息苦しいなと感じて。市郎さんくらいは言ってもいいかな、と。なんでダメなのか、考えてみませんか?と提示したかった。
阿部くんの屈託のなさというか、ライトだけどちゃんと気持ちが伝わる感じが大きいです。阿部くんがやっているから許されている、という部分もありますし。
――「バカヤロー」「バカヤロッ」など、セリフ表記の違いは意図的に入れていますか?
意図的ですね。阿部くんは昔からセリフ一つとっても音の違いをすごく大事にしてくれる。「ひらがな」「カタカナ」「漢字」でのニュアンスもきちんと汲み取って演じてくれるので、僕も無意識に“こう書けば伝わるだろう”と思って書いています。長年一緒にやっている信頼ですね。














