「iShite Book」の本は、刑務所内にも各地の公立図書館にも届いている

ブ・リン・フォンさん
「日本の刑務所にいるベトナム人は、立ち直るために本を読んだりして、いろいろ身につけています。
社会に出たら、社会に貢献したいという人がいます。
そういう人たちの友達や弁護士がこの店に注文して、本を直接刑務所に送るという仕事もやっています」

iShite は2024年から、新宿区立大久保図書館や横浜市中央図書館、大阪府・市の中央図書館など全国各地の公立図書館に、ベトナム語の本を納入しています。

子供向けの絵本から、小説、自己啓発の本など幅広く対応しているということです。

書店がつくる在日外国人との相互理解への契機

常連のグエン・ティ・ミ・ズエンさんは現在、就職活動中。
好きな小説だけでなく、簿記の勉強などにもベトナム語の参考書を並行して活用しています。

グエン・ティ・ミ・ズエンさんは日本の人にもベトナム語、ベトナムの文化を知ってほしいと話します。

グエン・ティ・ミ・ズエンさん
「私は今、日本の文化がだんだん理解できるようになってきた状況です。
日本人もベトナム語の本が読めれば、文化が理解できるんじゃないですか。お互いが理解できるようになれば、外国人も日本人も、みんなが優しくなって、生活が楽しくなるじゃないですか」

在日外国人の母語、母国語の書店が、多様な文化を知る、お互いを理解する、ひとつつのきっかけとなる場所になるかもしれません。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:崎山敏也)