北海道大樹町が宇宙のマチづくりを始めて2025年で40年。

新たなロケット発射場の完成が2026年に迫り夢物語は、現実に変わろうとしています。

正に「暴力的な加速」。スーパーカーのフル加速を体験します。

先日、大樹町のスペースポートで開かれた町民限定の宇宙ツアーです。

2024年、延伸された1300メートルの滑走路を使ってロケットのような加速感を体験します。

藤田忠士 記者
「200キロ、200キロ超えてる」

待ち受けていたのは、国内の公道では体験できない時速220キロの世界です。

この体験、実は大樹町のふるさと納税の返礼品で大樹町民は、経験できないために町が特別に機会をつくりました。

大樹町内に支店を構え、返礼品を企画した愛知県の自動車部品設計会社です。

ジュラテクノロジー 富田茂 社長
「名古屋空港に航空会社を作って、将来的には名古屋空港から大樹町航空公園に直接できあがったものを空輸することによって、精度のいい部品をロケットの会社に供給できるようなことをやっていきたい」

今回の町民限定宇宙ツアーには約50人が参加。

宇宙でマチづくりを進めるマチの政策を理解してもらおうと、黒川豊町長自らガイドを買って出ました。

大樹町 黒川豊 町長
「ロケットの発射場は工事中のところを遠巻きに見てもらう。来年の今頃には完成している予定」

一行がやってきたのは海沿いに広がる、一般人立ち入り禁止ゾーンです。

足元をよーく見るとコンクリートに何やら「漢字」が書かれています。

スペースコタン 伊藤亮太さん
「発射する設備を置くためのマーカーですね。このあたりからロケットが打ち上げられた」

実は、この場所は7月に、台湾系ベンチャーがロケットを打ち上げた発射場です。

海外製ロケットが国内で打ち上げられたのはこの時が初めてで、当日はコンテナや移動式の発射台が持ち込まれました。

町民は…
「(ロケットが)上がるときになるとワクワクする」
「夢物語だと思っていた」

加速する宇宙開発はマチにも変化をもたらしています。

大内孝哉 記者
「麺はコシがあって、とても歯ごたえがあります。かつおだしの中にほんのり生姜の香りがして、とてもおいしいです」

2024年、オープンした「たいきうどん」です。

大樹町の人口は、5000人ほどですが、今、飲食店や宿泊施設などの新規出店が相次いでいるのです。

たいきうどん 野澤龍之介 店長
「(台湾系のベンチャー)jtSPACEからうどんの宅配の注文を何度かもらった。個人的にはどんどん打ち上げてほしい」

全国に先駆けて人口減少が進む北海道。

その中で、大樹町は「宇宙への玄関口」として人を呼び込み続けています。