ママの大切な宝
長男の翔樹くんに宛てたメッセージがあります。
母・佐藤早織さんの手記:(生命のメッセージ展より)
「翔樹元気ですか?今どこで何をしているのかな?あの日は午後から授業参観だったよね。そして夜には七夕をしようと、約束をして登校したよね。その後すぐ翔樹が事故に遭ったと連絡を受けたんだよ、ついさっきまで朝食を食べ会話をして自分の足で歩いていたのに、ママは信じられなかったよ、なぜ翔樹がこんな目に遭わなくてはならなかったのか…。もっとお友達と遊びたかったでしょう。勉強や運動も、もっとしたかったでしょう」
「無責任極まりない無謀運転で、翔樹の大事な命を一瞬で奪った…。きっと翔樹は自分の身に何が起こったのか分からず辛かったよね、ママの大切な宝、生きがいだった日々をも奪い去った…」
「身に着けていたランドセルはペシャンコに潰れ、ベルトや金具は引きちぎられていた…。パパと一緒に遊んだ服はボロボロに避けてしまっていたよね。血まみれで皮膚がたくさん付いていて、洗っても洗っても血で水が赤く染まってしまってね。どんなに痛かったことか、怖かったことか」

早織さんは25年前の事故当時、妊娠中でした。お腹の中にいた赤ちゃん、事故の7か月後に生まれた翔樹くんの妹・裕菜さん(24)です。兄に会うことができなかった裕菜さんも様々な葛藤を抱えて生きてきました。
【後編】「会えなかった兄」事故の7か月後に生まれた妹の葛藤と決断














