髪の毛、爪にさえ触れられない
棺に入り帰ってきた小さな姿は全身を包帯に包まれ表情を見ることさえできませんでした。
母・佐藤早織さん:
「葬儀会社の方に、髪の毛の一本でも爪の一部でもさわらせてもらえませんかとお願いしたんですが『お母さん、どうかかわいかった時の姿を思い浮かべてください』と言われて。自分の子どもなのに死に目も会えなくて、見ることも抱っこすることもできなくて。翔樹が何を悪いことしたのって、何でこんな目に遭わなければならないのか、いくら考えても納得ができなくて」
友達思いで人を楽しませるのが好きだった翔樹くん。家族の暮らしは、一変しました。周りからの心無い言動に傷つけられたことも少なくなかったといいます。
母・佐藤早織さん:
「買い物をしていて買い物かごをのぞかれて、ご飯ちゃんと食べられているんだとか。私だったら子ども亡くなったら生きていけないのに偉いねとか、きっと悪気があって言っているのではないと思うが傷つきました」

一方で、機械的に進む刑事手続き。事故当時29歳だった男性運転手に下されたのは業務上過失致死罪での懲役2年8か月の実刑判決でした。














