“働き方のイマ”をテーマにした「work23」。止まらない物価高で、日々の暮らしに追われ、十分な老後の蓄えができない…そんな人も少なくないかもしれません。人生100年時代。定年後も働き続ける人が増える中、かつては“若者の働き方”と思われていたリゾートバイトに挑戦するシニア層が増えているようです。

賄い付きで温泉は入り放題「完全に旅行に来ている感じです」

中央アルプスを一望できる、長野県・駒ヶ根市。紅葉シーズンには、色鮮やかに染まる山々の景色を求め、多くの人が集まります。

そんな観光地にある旅館で働いているのが、藤田まりさん(63)です。

藤田さんが担当するのは、宿泊者の食事の盛り付けなどを行う調理補助。慣れた手つきでテキパキと、ベテランの風格がありますが...

藤田まりさん
「最初の日も仕事をしていないので、仕事をしたというのは本当の3日」。

実は藤田さん、旅館で働き始めてまだ数日。1か月の期限付きでのアルバイトです。

午前6時、朝食の準備をする藤田さん。細かく分かれた皿に料理を盛り付けます。40歳年下の先輩に指導を受けることもあります。

この日、藤田さんが任されたのは朝食には欠かせない、みそ汁づくり。仕上げは子2人を育て培った、“母としての舌”が頼りです。

旅館「すずらん颯」松口聡美 女将
「うん!おいしい!」

午前7時。接客も行います。

藤田さんの勤務は、朝6時から1日8時間。週休3日で、月10万円程の収入だといいます。

そんな藤田さんの楽しみの一つが、料理長が作る賄いです。この日は、残った食材でチャーハン。

この旅館では、勤務日は3食の賄いつき。さらに生活を送るのは使っていない客室で、温泉も入り放題だと言います。

藤田まりさん
「完全に旅行に来ている感じです」