◆童話「青いブローチ」概要
「空襲警報が鳴り響き、人々が防空壕に避難する中、女の子2人がブローチを交換し、『あした、学校へつけていこう』と約束した。しかし、2人は空襲によって離れ離れになってしまった…」

繰り返しになりますが、童話は、17歳の白石さんが経験した実体験です。白石さん自身、大切な友人と空襲で離れ離れになり、そのまま戦争が終わった後も再開を果たせていないのです。

「あの後、友人はどうなったのだろうか。空襲の戦火に巻き込まれて命を落としたのか、それとも、どこかで生きているのだろうか…」

娘の京子さんは、「この童話が巡り巡って、離れ離れになってしまった友達に届けば...という思いがあったのでは」と推測します。

◆娘・山岡京子さん
「お友達の行方が、ずっと気にかかっていたんじゃないかと思うんです。『童話が広く読まれるような機会ができたら、その人が読んでくれるのでは...』と思ったんじゃないでしょうかね」

しかし、白石さんが書いた童話「青いブローチ」が世に出た後も、その友人からの連絡はありませんでした。

ただ、この本は、戦争を知らない子どもたちに広く読まれることとなりました。学校現場で活用されることになったのです。