武器はスライダーではなく「高めのまっすぐ」

石井:今井選手ご自身の中では自分の武器は何になると思ってますか。

今井:高めのまっすぐ。代理人の方に、メジャーの野手の平均身長を聞いたことがあって、187センチが平均だったんで、そうなると日本よりも高めの直球が使いやすくなってくる。僕はリリースも低くて、低いところから高めに吹き上がっていくような直球が一番持ち味だと思ってるので、それがメジャーの選手にどれぐらい通用するのかは楽しみではあります。それで、ボコボコに打たれて自信失くす可能性ももちろんあるんで、どうなるかわかりませんけど(笑)球速的な部分で言ったら、速いボールを投げるピッチャーはたくさんいるので、アングルや見え方だったりとか、軌道だったり。そこはどういうリアクションをあっちの選手がするのか楽しみではあります。

石井:球速だけじゃない、低いリリースポイントからホップするようなボール。今シーズンも意識して戦われた部分はあるんですか。

今井:なかなか振ってくれない部分も多かったので、使えないなっていうのが日本では多かった。そういう意味ではあまり経験したことないようなバッターもたくさんあっちにはいると思いますし、そのストレートに負けじとガンガンバットを振ってくると思うんで、そこはすごく楽しみです。

石井:メジャー球を既に練習でも使用されてると聞いてるんですけど、ご自身の感触としてはいかがでしょうか。

今井:あんまり投げづらさとかは感じてはいないんですけど、日本とアメリカで湿度だったりも変わってくるんで、こっちでは違和感なく投げられても、もっと乾燥したところで投げたらもっと滑るんじゃないかとか。そういうところは気にしながら練習してました。

石井:武器のスライダーもメジャー球だとより曲がるんじゃないかなって期待しちゃってるんですけど、その辺の感触はいかがですか。

今井:僕としてはあんまり曲がって欲しくないというか、日本のときと変化量とかは変わって欲しくないなって思ってて。曲がり幅が変わっちゃうと、狙うところも変えなきゃいけないですし、日本ではそこを狙ってストライクになったけど、アメリカだとボールになっちゃうとかだと、また1から作り直していかないといけなかったりもあるので。またあっちに行って投げて自分で感じて、いろいろ試行錯誤していきながら、やっていきたいなと思ってます。

石井:曲がり方があんまり変わらない方がいいっていう意味だと握りは変えたりするんですか。

今井:いや、多分変えないと思いますね。まっすぐでもスライダーでもどの変化球を投げるのでも、全部フォームが一緒というか、感覚が全部一緒で投げられるんで。体が張るところがいつもと違うとか、そういうのはもうなくなってきて、投げたら大体決まったところが張ってくる。中6日で、治療やメンテナンス、体のケアだったりは毎週同じようなことを繰り返しやっていけるようになるので、ズレとかがあんまりないです。

石井:それはすごい大きな武器ですね。最後に今井選手の目標だったり、どんな来シーズンを過ごしたいと考えていらっしゃいますか。

今井:メジャー1年目になるので、今僕自身、ドラフトでライオンズに指名されたときと同じ感覚で過ごしてて。「来年からプロの世界で野球やっていくんだ、でもなんかあんまり実感ないな」っていうのと、右も左もあんまりわかってない状況なのが、入団する前とすごく似てる感じがして、ちょっと懐かしいなっていう感じもしてる。メジャー1年目、いろんなことを経験して勉強して、もちろん野球もそうですし、野球以外の部分でも、文化の違いとか、環境の違いを肌で感じられると思うので、自分の成長に繋げていく。また、もちろんアメリカに行くなら、ワールドチャンピオンをみんな目指してると思うので、ワールドチャンピオンを目指して頑張りたいなと思います。