“一人会派”の壁を乗り越える—国会システムの中で発言力を確保する工夫
ーー機材とかそういうツールのことではなくて、やっぱり国会の仕組みそのものが何かこれ違ってたなとかありましたか。
チームみらい 安野貴博党首:
多分普通の企業と違うのは、国会は意思決定っていうものと、儀式性っていうものがある種ちょっと混ざってると思うんですよね。普通の企業だと意思決定をするために会議があるっていうことではあると思うんですけど、ある種セレモニーの色もないといけないっていうのが多分国会なんだと理解しました。例えば私が初日に来てびっくりしたのは、議長・副議長選挙っていうのを本会議でやるときに、1人ずつ紙を投票箱に入れていくっていう作業をすることです。これ1回の選挙で30分使うんですよね。30分ずっとみんな待ってるわけですよ。
ーー参議院はボタンも導入していますよね。
チームみらい 安野貴博党首:
導入しているんですけど、あれはイエスかノーかのボタンであって、〇〇さんっていうのではないです。記名の投票っていうのはなかなか難しいんです。とはいえ、そういう仕組みを作ったら、別に5秒で終わる話なんです。この29分55秒間を節約した方がいいなっていうのを、私とかは思うわけですよ。国会議員の方々のその30分間って、その間にいろんな人がいろんな議論を積み重ねれば、より1個多く合意を積み重ねられるかも知れないですよね。
私もセレモニーとしての重要性っていうのを一定わかりつつも、いま多党化が進んできていて、多党化の弊害って何かというと、物事がなかなか決まりにくくなるんじゃないかっていうね、そういうことが指摘されているわけですが、だとするとやっぱ効率にもうちょっと振ってあげた方が国会としての意味合いっていうのはあるんじゃないかということで、私はここもね、もうちょっとバランス見直すところっていうのがあるんじゃないのとは思いました。
ーー自主的な活動は、具体的にどんなことをやってらっしゃるんですか。
チームみらい 安野貴博党首:
時々「一人会派だと、議会の中で発言する機会って全くないじゃないか」という声を聞くんですけど、参議院のいいところは、少数会派に対して結構配慮がなされておりまして、意外と委員会では長い時間、質問時間をいただけるんですよ。
例えば、大きな政党だと持ち時間も長いですけど、人も多いので、1人当たりにすると、そんなに長い時間聞けないんですけど、実は1人会派は毎回質問があるたびにそれなりの時間いただけるので、1人当たりの時間でいうと、これ大政党の議員よりもむしろ多いくらいかもしれないなと思ってまして。昨日(11/25)も、総務委員会で、総務大臣の林芳正さんに15分いろいろ聞くことができました。その上で、勉強会とかそれ以外のいろんなコミュニケーションを使って、できることもたくさんあるので、なんか4か月前当選した直後に思ってたよりかは、できることの幅が大きいなって思うようになりました。

ーー質問っていうのは、総務委員会ではどういう手続きとかあるんですか。
チームみらい 安野貴博党首:
質問通告という制度がございまして、何を質問するのかっていうのは事前に通告をして、提出をするということになってます。2営業日前の午後5時ぐらいに我々は提出をしていて、一つのラインというのはそこら辺だと相場観としてあるらしいんですけれども、我々の場合はそれまでに総務委員会マターで、いろいろな課題あるなっていう中で、官僚の方含めて、いろんな方にヒアリングしていって、こことこことここに関しては、総務委員会で質問をすることによって、具体的な進捗を生めそうだぞっていうものを厳選して、3つ選びましたね。
ーー国会で言質を取るかって、すごく大事ですもんね。
チームみらい 安野貴博党首:
言質を取るっていうことでいうと、私が昨日した質問のうちの一つは、法解釈の問題だったんですよね。元々自治体のシステムのアドバイザーみたいなものを東京都とやらせていただいてたんですけど、オープンソースと呼ばれるソースコードを公開するっていう行為が、誰でも使えるようにするっていう、これをすると、例えば東京都が作ったものを他の区とかも使いやすくなったり、その区がそれをちょっとカスタマイズして、カスタマイズしたものをまた公開して別の区が使うみたいな、そういういろんなエコシステムを作れるんですけれども、ただこれ、自治体が作ったものを勝手に公開しちゃいけないようにも読める地方自治法っていうのがあるんですよ。条文があって。でも、これは大丈夫だろうと。大丈夫にすべきだということで、大丈夫にした方がいいんじゃないかという答弁を持っていって総務大臣をぶつけてみたと。そしたら見事今までグレーゾーンになってしまってて、みんな手出せなかったんですけど、問題ないっていう回答を昨日いただいたので、これはね一つよかったなと思ってます。
その15分をいかにレバレッジを効かせるか、15分でできることを何を突っ込むかってのは、これがやっぱり国会議員の方の腕の見せ所なんだなと改めて思いましたね。














