「百聞は一見に如かず」と揮毫したチームみらい党首の安野貴博氏。初当選から4か月が経ち、「国会をDX化していくにはどうすればいいのか」という超党派の勉強会を立ち上げるなど、着々と改革への道を歩み始めています。ITエンジニアの視点から見た国会の実態と、デジタル化への取り組みについてたっぷりとうかがいました。(聞き手:川戸恵子 収録:11月26日)

IT業界から政界へ-国会の“アナログ文化”に直面

ーー安野さんが総務委員会に属されて、質問を拝見しました。きちんとスーツ着て。

チームみらい 安野貴博党首:
そうなんですよ。この4か月でオーダーメイドスーツはちゃんと体に合うんだなっていうことがわかりました。あんまりオーダーメイドでスーツ着たことない、作ったことなかったんですけど、やっぱり国会の中、参議院とかは特にそうですけれども、必ずジャケットを着ないといけなかったりとか、いろいろ規定があるので、急いで買いに行って。

元々スタートアップ業界とかIT業界にいたので、例えば会議一つとってみても、ITの業界ではみんなノートパソコン持って、ノートパソコンでメモを取りながら、わかんないこととかあったときにすぐ調べたりとか、ChatGPTに聞いてみたりとか、そういうのを使いながらやるのが当たり前だった中で、まさかパソコン持ち込んではいけないっていう会議があるのかっていう、そこら辺からまず驚きました。

ーー今、いわゆるデジタル製品を使えない人の方が多いじゃないですか。

チームみらい 安野貴博党首:
逆にFAX使えない人多いですよ。私も一つ問題だと思ってて。普通の実社会において、もちろんまだFAX使われてる方もいらっしゃいますけど、逆に我々と同じ世代より下はFAXの方が使えないですね。

ーーそこを何とか変えようとなさってるのが安野さんという理解でいいんですか。

チームみらい 安野貴博党首:
FAXを使ったとしても例えば電子メールやチャットツールを使ったとしても、それぞれに得意な人と苦手な人がいますし、それぞれの媒体の良さ悪さみたいなのがある中で、どっちに寄せていこうかみたいな議論をしなくちゃいけないということかなと思います。その中で社会の趨勢と国会の中の趨勢が食い違っちゃうと、もう特殊な業界になっちゃうので、あんまり食い違わない方がいいのかなという観点で、私はちゃんとDX化を進めていった方がいいんじゃないかなと思ってますね。

ーーただやっぱり入ってみて、その壁は厚いとお思いになったんじゃないですか。

チームみらい 安野貴博党首:
まず、現時点でこの乖離はあるなと思いました。それがすぐ変わるものでもないというのも理解してます。ただ一方で、ここを結構いろんな方とお話してる中で言うと、「いや、さすがにおかしいよね」って思っていらっしゃる国会議員の方は意外とたくさんいらっしゃる。今ですね、超党派で国会をDX化していくにはどうすればいいんだろうかっていう勉強会みたいなのをやらせていただいておりまして、その中で議論は実は進んでってるんですよね。行政のデジタル化って推進する人たちがいるんですよ。デジタル庁っていうのがありますけど、国会の中のデジタル化って誰も所管がいないわけですよね。

だから僕みたいに何か口うるさくDXだっていう人が旗を振っていかないといけないかなとは思ってまして、仲間も集まりつつあるので、このままね、前向きに進んでいくといいなと思ってます。