「実家で食べていた味を、ここ日本のスズキで」15年前に始まった社食改革

スズキがベジタリアンカレーを食堂のメニューに加えたのは、15年ほど前のことでした。

インド出身の従業員が増えていくにつれ、「母国の味に近いカレーを食べたい」という声があがってきました。

スズキ人事部厚生課の志田大介課長は、導入の狙いをこう語ります。「実家で食べていた味を、ここ日本のスズキで食べていただけるとなったら、インド出身の社員の皆さんも喜んでいただけるし、何より仕事の成果も良い方向に向くだろうという思いで開発しました」

「日本人がおいしいと感じる味ではなく、インド人がおいしいと感じるカレーに」フレンチシェフの苦闘

「本格的なインドカレーを社外のお客さんにも楽しんでもらいたい」。2024年、スズキは食堂のカレーを提供しているレストラン事業者にレトルトカレーの商品化を相談しました。

レシピ開発を担当したのは、ル・グラン・ミラージュの松下敦祐料理長。フランス料理を得意とする松下さんにとって、インド料理は初めての挑戦でした。

担当したル・グラン・ミラージュの松下敦祐料理長は、「インドの家庭料理なので、日本人がおいしいと感じるカレーではなくて、インド人がおいしいと感じるカレー、そこの味に合わせることが大変でした」と語ります。

スパイスを入れる順番一つにも意味があり、松下さんはインド人の方に試食を依頼し、フィードバックをもらっては作り直す工程を繰り返しました。「日本人の舌に合わせる」のではなく、「インド人が求める味」を追求したのです。

カレーにはタマネギやトマトなどの野菜と20種類以上のスパイスを使います。