母親も1人の人間として描かれる時代に

ドラマ『フェイクマミー』より

近年は“母親としての役”というより“1人の人間としてのキャラクター”を演じる機会も増えたという。

「子どもは誰しも誰かの“子ども”ですし、母親も“誰かの母”というくくりに過ぎない。大事なのは、1人の人間としてどう生きているか。例えば、娘と一緒に旅をする母親の成長物語があるとしたら、最近は“母もまた娘と成長していく”というような作品が増えてきました。大人になってもいくらでも成長できる。そういう物語が増えているのはうれしいですね」とほほ笑む。

かつて“お母さん”といえば、割烹着姿でどっしりと構える存在が定番だった。

「本当は誰だって“母親”や“父親”というものだけを演じたいわけではないと思うんです。みんな“1人の人間”を演じたい。それがもっと以前から深掘りされていたら、女性も役者ももっと生きやすかったんじゃないかな」と目を細める。

そして、「これからはそういう時代になると思います。私もこの年齢からが本番です!」と声に力を込めた。