年を重ねても母親役に収まらないために

ドラマ『フェイクマミー』より

近年、母親役を演じる機会が増えている筒井さん。「昔からよく言われていることですが、ハリウッド(アメリカ)でもどこの国でも、女優は年を取ると母親役しかなくなる――という“定説”のようなものがあります」と切り出す。

「ドキュメンタリー映画『デブラ・ウィンガーを探して』(2002年・アメリカ)でも描かれていましたが、男性俳優は年を重ねてもさまざまな役柄がありますよね。でも女性は“母親”という枠に収まっていく。それって、ちょっと悲劇的だなと思っていました(笑)」と静かに首をかしげる。

だからといって彼女はそこにとどまらない。「時代は変わってきています。母親役ばかりを提供されても、見る側も演じる側もつまらない。だから私は“変えていく側”――パイオニアになりたいと思っています」。