青森県内の最低賃金は21日に改定され、初めて1000円台になりました。今回の引き上げによって、約5万4000人が恩恵を受けると推定されています。

青森市の焼き肉店「スミビマルフク」。
11月1日からアルバイトの時給を100円上げて1100円としました。

アルバイト7人には朗報ですが、受け止め方には濃淡があるようです。

アルバイト 大学3年生 中島聖良さん(21)
「5時間働いて5000円が、5500円になるので、もっとがんばろうと思いました。(賃金アップは)だいぶ大きく感じていますが、実際生活をしていたら、そんなに変わらないです。いままでと。物価高でなんでも高くなっているから…」

近年の物価上昇などを考慮して進められた最低賃金の改定。

21日から県内の最低賃金が76円引き上げられ、1029円となりました。

青森労働局によりますと、今回の改定で恩恵を受ける人は約5万4000人。率にすると全体の32.1%と推定されています。

これに対して、企業側の経営環境は厳しさを増しています。

スミビマルフクでは時給を上げたことで、店のコストは月に1万円ほど上がりました。ただ、客のことも考えると現時点で値上げには踏み切れないといいます。

スミビマルフク 福澤勝 店長
「我々のような飲食店、個人事業主はコロナで苦しんだ企業もたくさんありますし、その時を喉元過ぎてしまえば、今はよくがんばったなと思うんですが…。うん…。また小さい企業が、一つずつ淘汰されていく世の中になっているのかなとも思う…」

政府は今後も企業が賃上げできる環境作りを進めるとしていますが、今回の引き上げが県経済と暮らしにどう影響を及ぼすのか、慎重に見極めることが大切となります。