歌舞伎俳優・尾上左近さんが、来年5月に開幕する歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」において三代目尾上辰之助を襲名することが発表され、記者会見が行われました。

左から 尾上松緑さん 尾上左近さん 七代目尾上菊五郎さん
尾上左近さん




左近さんは“この名前は、初代 辰之助を祖父が名乗りまして、その後、父が若くして名乗り、命をかけて守り、繋いでくれた、私にとっても大切な名前です。この名前を襲名させていただくからには、より精進を重ね、努力して参ります所存でございます”と、緊張した面持ちで決意を語りました。

尾上松緑さん



父である尾上松緑さんは、“私が(辰之助を)襲名をさせていただいたのは中学3年だった。声変わりも終わっていませんでしたし、ちょっと早かったのかなと思っておりましたが、彼は今19歳で、1月に20歳になりますので、良いタイミングだと思う。これからいろいろなことを吸収して、自由な辰之助像を作ってもらいたい”と、自身と重ねながら父としての思いを語りました。

七代目 尾上菊五郎さん



七代目 尾上菊五郎さんは、“初代の辰之助と私は、兄弟というか大親友だった。巡業行っても同じ部屋だったし、思い出がいろいろある”と懐かしみつつ、“今聞いたら、左近は20歳だと思ってたんですが19歳なんですね。ここ2〜3年、メキメキと腕に力を付けて参りまして、私のみならず、先輩たちも「本当に研究熱心だ」「勉強熱心だ」と褒めております。祖父も父も、いかつい体つきですが、当人は女形もやる。研究熱心さを忘れずに、ゆくゆくは祖父、父に劣ることがない、立派な辰之助像を作ってもらいたい”と、期待を込めました。

尾上左近さん



市川新之助・尾上菊之助・尾上辰之助から成る、通称「三之助」。記者から「令和の三之助」としての思いを問われた左近さんは、“「三之助」という存在は非常に憧れで、大好きな先輩方。令和の三之助というものは、あまり意識していませんが、ただ、菊之助さん・新之助さんと、いろんな演目でご一緒させていただくのはとても楽しみ。僕の大好きな、昭和の、平成の三之助の皆さんとはまた少し違う形になるんじゃないかなと思います”と、意気込みを語りました。

【担当:芸能情報ステーション】