2025年の現代、平成の「シールブーム」が再来しています。

 今年の日経トレンディ“2025年ヒット商品ベスト30” にもランクインした、『平成女児売れ』。『平成』で流行ったものが、令和の今、再び注目されているのです。

 中でも人気なのが、『シール集め』です。

 大阪・梅田の雑貨店では、平日にもかかわらず開店直後からシール売り場に人が殺到し、500円~800円ほどのシールが飛ぶように売れていました。

(スーパースピンズ梅田店・後藤里緒さん)「幅広い世代にとても人気です。売れ行きは去年と比べると比べ物にならないくらい、何十倍かになっていると思います」

 さらに、持ち寄ったシールを交換する「シール交換バー」も登場しています。

 来店客は20代から30代が中心。自慢のシール帳を披露し合いながら、シール談義に花を咲かせます。

(客)「欲しくても(人気で)買えないことばかりなので、交換できたらうれしいなと思い来ました」

 店のうわさを聞いて愛知県から来た女性は、“思い入れ”や“レア度”によって交換レートを交渉。シール2枚でレア度の高いシール1枚と交換しました。

 店主の河野さんも、大のシール好き。自らもシール交換をしたいと、先月、店をオープンしました。週に2回の営業ですが、連日、客が絶えないといいます。

(喫茶810・店主 河野美香さん)「大人でシールが好きな人がこれだけいるということを私も把握していなかったので、単純に仲間がたくさんいるということが一番うれしいです」
 
 ではなぜ、シールブームが広がったのでしょうか。

 平成文化に詳しい専門家は、“懐かしさ”だけではない理由があるといいます。

(『平成レトロ』を提唱した山下メロさん)「『シール交換』という、スマートフォンやネットを介すると味わえない、対面で交換するというものが新鮮な価値観としてとらえられている。シールに関してはリバイバルしやすい要素があり、立体物に比べるとシールは印刷技術がベースになっているので安価で作ることができ、提供する側にとっても参入しやすい面があります」