ブナの生存戦略「マスティング」と温暖化

ブナの「大凶作」は数年間実をつけない「凶作」(一般的に5~7年)で動物の個体数を抑え、蓄えたエネルギーで突然大量に実をつける「豊作」を迎えるという、ブナ独自の生存戦略「マスティング」によるものです。
しかし近年、この安定した豊凶周期に大きな乱れが生じ、周期の短縮化が報告されている地域があります。

令和3年頃から1年ごとに「豊作」と「凶作」の年を繰り返しています。(東北森林管理局HP参照)

気象予報士 森 朗氏:
東北地方のブナは、開花前年の夏が高温になる(平均より高い)と、翌年の開花量が増える傾向があり、日本の平均気温の上昇が結実周期を短くしていると考えられます。
豊凶の周期が短くなると一時的にブナの実が増え、結果的にクマの個体数増加の一因となります。このまま温暖化が進めば、ブナの豊凶予測が難しくなり、結果としてクマの行動予測も困難になってしまうのです。

日本の年平均気温は右肩上がり。(気象庁HPより)

クマ対策で出来ることは?

文部科学省がクマはペットボトルのパコパコ音を嫌うため、子どもの登下校時の対策として空のペットボトルを持たせることを推奨しました。

まだまだキノコ狩りや紅葉狩りで山などに入るシーズンが続きます。クマとの遭遇に十分ご注意下さい。