政府は物価高対策を柱とした経済対策をまもなく決定します。子どもへの2万円給付や電気ガス代の補助などを盛り込みますが、副作用も懸念されています。

積極的な投資など“高市カラー”が鮮明となった経済対策。ただ、物価高対策としては、その場しのぎの感が否めません。

このあと閣議決定される経済対策には、▼子ども1人あたり2万円の給付や、▼電気ガス代の3か月で7000円程度の補助、▼重点支援地方交付金を使った「おこめ券」など食料品支援が盛り込まれます。

いずれも値上がりしたモノに対し、補助や減税で対応しただけで、円安対応やコメの増産など抜本的な対策には手をつけられていません。

経済対策の規模は21.3兆円程度と去年を大きく上回っていて、“規模ありき”との批判もまぬがれません。

その多くを国債=借金に頼るため、市場では財政悪化が懸念され、円相場は1ドル=157円台まで急速に円安が進んでいて、今後の物価高につながるおそれも出てきています。

見栄えにこだわった物価高対策が逆に、インフレをうむ逆効果にならないか。市場からの警鐘に対し、耳を傾けるべきタイミングがきています。