地球を笑顔にするウィーク、シリーズSDGsです。抗生物質に耐性を持ち、薬が効かなくなる“薬剤耐性菌”。耐性菌により、2050年には世界で年間1000万人以上が死亡するおそれがあると言われていて、脅威となっています。多くの人たちに問題を知ってもらおうと動き出した医師がいます。
東京都内のクリニック。
伊藤博道 院長
「今年はね、百日せきが結構流行って、そういう検査をしておいてもいいかなって」
医師が行ったのは“百日せき”の検査。今年、夏をピークに過去最多の患者数を記録した感染症です。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「いつもの年に比べれば5倍、10倍、あるいはそれ以上、まだいる。“耐性菌”は非常に大きいと思います」
医師が感染拡大の原因の一つに挙げるのが“薬剤耐性菌”。抗生物質に耐性を持ち、薬が効かなくなる細菌のことです。
薬剤耐性の問題に取り組む国立国際医療センター。検査室では、患者の尿や痰から細菌を培養し、その種類を特定しています。10年近く研究を続けてきた藤友結実子医師は…
国立国際医療センター AMR臨床リファレンスセンター 藤友結実子 医師
「抗菌薬を飲むと必ず薬剤耐性というのは出てきます。細菌側はできるだけ自分の皮を厚くする。それから排出ポンプというのを出して、入ってきた薬剤を外に出せるようにする」
2019年には耐性菌により、127万人が亡くなったという報告もあり、対策をとらなければ死者の数は今後も増え続けると警鐘を鳴らします。
藤友結実子 医師
「2050年にはAMR(=薬剤耐性)が直接の原因で亡くなる方は1000万人を超えると言われていまして、2022年から2050年にかけて総死亡数は約70%増加すると言われています」
耐性菌は、処方された抗生物質を飲みきらなかったり、必要のないときに服用したりして生み出されるといいます。正しい知識を広めるため、藤友医師は各地で啓発活動を行っています。
藤友結実子 医師
「風邪の時に抗菌薬を今まで飲んだことあるよって人、結構いっぱいいらっしゃると思うんですけど、風邪には抗菌薬は効きません。風邪の原因はウイルスだからです」
先月、都内で行われたイベント。ゲームを通じて抗生物質の正しい使い方を学んだり、手のひらの細菌を観察したりするブースが設けられました。
小学3年生
「〈Q.(菌)いました?〉いました。今、ここら辺についてます」
母(40代)
「風邪ならとりあえず(抗生物質)飲んどけばいいか、みたいなのはあると思う。わかりやすく、こういう目線で教えていただけるのはとても有意義なことだと思う」
藤友結実子 医師
「薬剤耐性対策の基本は抗菌薬の適正使用と、もう一つは感染対策です。自分の健康に関わることなので、風邪をひいたときにどうすればいいか子どもたちには知ってもらいたい」
薬が効かない未来がこないよう藤友医師の取り組みは続きます。
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