「ちゃんとしなさい」は “呪い” の言葉
植松さんが最も力を込めて語ったのが、「ちゃんとしなさい」という言葉の危うさ、でした。
「とても簡単な言葉です。でも、とても危険な言葉でした」
子ども時代の植松さんは、「ちゃんとする」ため、人に迷惑をかけないように、人を頼らなくなりました。
すべてを自分で背負い込み、どんどん辛くなっていきました。
弱みを見せることができず、誰にも相談できなくなりました。
「誰かがせっかく心配してくれても、『大丈夫、大丈夫』って笑う(ごまかす)ようになりました。そして僕は心をひらけなくなったんです」
「友達からちゃんとしてるって思われてるかな… 」
植松さんは、一人ぼっちになってしまいました。友達はいても、誰にも自分の心を話すことができない。
子ども心には、とても辛いことでした。
「でもきっと僕と同じように振る舞ってる人はいっぱいいるんです。
親だからちゃんとしなくちゃ、先生だからちゃんとしなくちゃって、一人ぼっちになってる人がたくさんいます」














