「足りない」からこそ、助け合える
転機は、北海道大学の永田晴紀教授との出会いでした。
永田先生は、危険なロケットを安全にしようと、全く新しいロケットエンジンの開発に取り組んでいました。
しかし、国も大学も信じてくれず、一円も資金が出ませんでした。
「永田先生はお金がなくて諦めそうになりました。
僕はお金がないからお金をあげることはできない。
でも、僕は小さい頃から勉強はダメだけど工作得意なんです」
「『先生、僕が全部部品作ったらどうなる? 』って言ったら、『一緒にやろう』って言ってくれました」
二人とも「足りない」存在でした。
植松さんにはロケットの知識が足りず、永田先生には物を作る技術が足りませんでした。
しかし、それは「ダメ」なことではなかったのです。
「実はね、人は足りないからこそ助け合うことができるんです。
この世の人は全員足りないんだよ。
だから足りない自分やできない自分のことをダメだと思わなくていいんです」














