空転の原因は“化学反応”による「黒い被膜」
山間部では、線路上に水分を含んだ枯れ葉に含まれる「タンニン」がレールの「鉄」と化学反応を起こし、黒い被膜が形成されやすくなります。
また、高い湿潤状態となった黒色被膜によって車輪が滑りやすくなり、その場で車輪が空回りしてしまう「空転」が起きやすくなります。車でいうスリップやスタックに似た現象です。
空転は、立山線では始発列車が走った後など朝方に起こりやすいため、回避するために空転しにくい重量のある車両を回したり、それでも空転した際は別の車両に乗り換えてもらったり、レール上に滑り止めの砂を撒くなど対応をしているということです。地鉄では、このような空転による遅延は1年に1回あるかないかの頻度ということです。
最も乗客数が多いのは、立山黒部アルペンルートが開通する春ごろですが、ことしはニューヨークタイムズの記事に富山市のスポットが掲載されたこともあり、外国人や県外の観光客も多く、昨シーズンに比べ、立山線の乗客だけでも1割増えているということです。
暑かった夏が長引き、紅葉の時期ならではの遅延ですが富山地方鉄道は「紅葉が完全に終わるまで、しばらく空転による遅延に注意が必要です。引き続き安全な運行に努めて参ります」としたうえで、「時間に余裕を持ってゆっくりのんびり車窓の景色を楽しんでください」と話しています。















