幽霊党員問題の説明責任が果たされていないとして活動休止が続く、自民党衆院富山1区 田畑裕明衆議院議員の企業後援会。役員を集めた16日の会合で、新しい会長が決まりましたが、田畑議員に対しては、厳しい意見が相次ぎ、活動再開は見送りとなりました。

田畑裕明衆議院議員の地元、富山市呉羽地区。16日、この地区で開かれたのは、田畑議員の支援企業でつくる「響裕会」の臨時総会です。
自民党衆院富山1区 田畑裕明議員
「ご心配とご迷惑をおかけしたことには、重ね重ねおわびを申し上げる次第でありますが、この説明責任を役員の方からももっときちっと果たせということもいただいているわけでありまして」「やるべきことをしっかりやりながら皆さんの信頼の回復のために力を尽くしてまいりたい」

田畑議員のあいさつを除いて非公開で実施されたこの総会。会員企業は600社ですが、出席者はわずか1割の60社にとどまりました。


去年11月に発覚した幽霊党員問題。田畑議員をめぐっては、支援者が勤める企業の従業員を無断で自民党員に登録し、実在しない架空党員の登録にも関与していた疑惑がもたれています。


会見で田畑議員は、自身の関与を否定しましたが、響裕会は「説明責任が果たされていない」として問題視。ことし1月から活動を休止しています。
こうした中、田畑議員は響裕会の役員に相談せず、富山県医師会の元会長で、自身の連合後援会長である馬瀬大助氏に新会長を打診。活動再開を模索していました。
響裕会関係者
「非常に腹立たしい気がしています。すべては自分のためにどうあるべきかを考えて、彼は動いているようにしか見えませんので。非常に残念でしかならないです」

複数の響裕会役員によりますと、臨時総会の前に開かれた役員会では、響裕会の高田順一会長が「体調不良」を理由に退任の意向を表明したため、後任を馬瀬氏とすることを決めました。

しかし活動再開を巡っては、田畑議員に対して厳しい意見が相次いだということです。
役員
「この1年、企業回りをしたというが、説明に納得した会社は1社も聞いたことがない」
「説明責任を果たすまで活動再開はありえない」
「休止が続くようなら解散も検討すべきではないか」

田畑議員が説明責任を果たさない限り活動休止の継続を決定。年会費の徴収や激励会などの開催は見送るとしました。今後の方針については役員会で協議していくとしています。

臨時総会では会長の交代が承認され活動休止の継続を報告しました。総会終了後、馬瀬新会長らが取材に応じました。
響裕会 馬瀬大助会長
「たとえ最後の1人になっても(田畑氏を)応援する覚悟でお引き受けしました」
響裕会 高田順一前会長
「(会長)引き受けていただいて内心ホッとしております。大変なことをお願いしたことになりますので」

幽霊党員問題については、次のように答えました。
響裕会 馬瀬大助会長
「『説明責任を果たしていない』という一言で片付けてるけど『事務所で起こったそういう話は全部私に責任があります』ということは仰っているわけで、非は認めてるんじゃないですか」
Q「『自身は関与していない』ということに対してはそのまま額面通り言葉通り受け止めているか」
響裕会 馬瀬大助会長
「ぼくの印象?だからその通り受け止めています」
一方で、総会の出席者は次のように語ります。
支援者(1)
「納得せなどうなるよ。自分で説明して回っとると言っとるから、信用せんなどうなるよ」

支援者(2)
「(田畑氏から)直接聞いたんですよ40分間。私も納得はでき…うーん、納得というか。納得というと何の基準をもって、基準があるでしょ人それぞれ。私の基準には合っとらんけど、それ以上聞いてもどうしようもないだろうと」

自民党県連と富山市連は、次の衆院選の公認候補となる県第1選挙区支部の支部長に田畑議員を選任しない方針で、新体制となった党本部からも了承を得たとしています。

響裕会の役員によりますとこうした動きに対し田畑議員は役員会で「県連・市連とは戦いだ」と反発。次の衆院選に出馬する意向を示したということです。

県連の方針を党本部が了承したことについては、どう受けとめているのでしょうか。

自民党衆院富山1区 田畑裕明議員
「今はじめて聞きましたので、ちょっとわかりませんが、富山の皆さんにしっかり仕事として恩返しをしながら結果を出していきたいと思いますので、また自民党県連(富山)、市連の皆さんにも『しっかり一緒に仕事をしたい』ということも申し入れをさせていただいておりますから、これからもしっかり、話をしていきたいと思います。ありがとうございました。とにかく(みなさんに)応援されている。たくさんの声をいただいていますから、しっかり仕事していきたい」

毛田千代丸キャスター
「幽霊党員問題から1年ですけど、批判の声が高まる中で、誰の負託に応えているんですか。答えていただけませんか」
田畑議員が「自民党県連・富山市連の皆さんにも『しっかり一緒に仕事をしたい』ということを申し入れたと発言していましたが、県連と市連どちらもそうした申し入れはないと否定しています。














