政府が検討進める「5類への引き下げ」…それでも『医療現場の対応は変えられない』

 デルタ株が猛威を振るった第5波の去年9月。病院には若者を含めて多くの重症患者が搬送されてきました。しかし第8波の今は、コロナの重症患者は1人だけです。
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 (京都第二赤十字病院・救急科 成宮博理副部長)
 「第7波の時は中等症の人しかいないので、ここまで重症の人は僕らのところには来ていないです。京都府内でも数えられるぐらいの数しか重症になっていないので。コロナの肺炎で重症は極めて少なくて」

 去年の秋以来という重症患者。50代の男性で重い肺炎の状態で、ワクチンは接種していないといいます。治療として1日1回、男性をうつ伏せにする必要がありますが、医師など8人がかりで約30分かけて行われました。

 (京都第二赤十字病院・救急科 成宮博理副部長)
 「疲れた。本当に久しぶりなので、丁寧というか慎重にやりましたね」
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 コロナ禍で負担が重くのしかかる医療現場。政府は新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、厳格な感染拡大防止策が取られる現在の2類相当から、季節性インフルエンザと同じ5類への引き下げも含めて検討を進めています。
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 しかし、たとえ5類に引き下げられたとしても医療現場の対応は変わらないと成宮医師は言います。

 (京都第二赤十字病院・救急科 成宮博理副部長)
 「(Q第1波から対応は変わらない?)変えられないんじゃないですかね。国民のみなさんの意識が変わって、隣でコロナの人が入院していても『そうですか、がんばってね』みたいな、そういうふうにならないと。僕らが感染していても働いていいですよ、濃厚接触者でも普通に働いていいですよ、検査もいりませんよとなるんだったらいいけどね。なりますかね?5類になったら。ならないですよね、きっと。だったらここは一緒じゃないですかね。第1波の時と同じことをずっと永遠に続けるしかない」