第8波でも『通常の医療体制を維持するのが難しくなっている』

 12月上旬の午前11時。トラックにはねられて意識障害のある50代の男性が搬送されてきました。男性がコロナに感染していた場合を想定して、ウイルスが外に出ない部屋で「N95マスク」などを着用して治療に当たります。
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 (医療スタッフ)「挿管準備お願いします!」
  (成宮副部長)「挿管準備してください!N95(マスク)つけて入ってもらえる?」

 男性の症状が悪く、現場の慌ただしさが一気に増します。

 (成宮副部長)「手伝って。交通外傷、挿管しなあかん。こっちのCTなんやけど、ショックルームのCTを優先する。抗原(定量検査)のラベル出してよ」
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 男性の鼻から検体を採取して急ぎコロナの検査を行いますが、結果が出るのは1時間後です。気管挿管で気道を確保してけがの詳細を調べるため、CT検査にまわします。CT室内も医師らは防護服を着たまま。感染対策を徹底しています。
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 1時間後、男性の検査結果が出ました。果たして…。

 (京都第二赤十字病院・救急科 成宮博理副部長)
 「陰性だった。(陽性だったら)隔離する部屋を確保しないといけないということになるので、今うちだったらICU(集中治療室)しかないんですよね。通常の医療体制を維持するのがコロナで難しくなっている」

 この病院にはICUが8床ありますが、入院する患者がコロナ陽性の場合、症状が軽くても隔離のためICUに入れる必要があり、他の重症患者の受け入れが難しくなってしまうのです。
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 コロナの院内感染を防ぎつつ、救急患者を受け入れながら、限りある病床で運営していく。それを第1波からずっと続けています。

 (京都第二赤十字病院・救急科 成宮博理副部長)
 「長いね。2年半~3年近いですもんね。まだやっているのかという感じですよね。(Q終わりが見えない?)どう終わるかでしょうね。どう終わらせるかですよね」