全国で相次ぐクマ被害。静岡県内でも連日のように出没情報がある中、浜松市が対策費を補正予算案に計上しました。市内では、この半年ですでに23件の目撃情報があり、住民の生命と財産を守るための強化に乗り出しました。

「クマだ!」

10月31日、浜松市天竜区春野町で撮影されたドライブレコーダーの映像です。黒い物体が道路を横切るのがはっきりとわかります。

<金國賢一記者>
「目撃されたのはツキノワグマでした。この周辺では夏ごろにもクマの目撃情報があったといいます」

浜松市によりますと、2025年度、クマとみられる目撃情報はあわせて23件。2024年度は1年間で30件、2023年度は12件と明らかに増加傾向にあります。そこでー。

<浜松市 中野祐介市長>
「危険鳥獣、とりわけクマの目撃情報がたびたび寄せられている。市民の生活をしっかり守る観点から危険鳥獣対策を追加した」

浜松市では、クマをはじめとする危険鳥獣への対策費を11月補正予算案に計上しました。具体的には、クマ用の箱わなやクマから身を守るためのスプレーやプロテクターの購入費に充てるほか、猟友会への「捕獲報奨金」を1グループ5000円だったものを1人あたり1万円へと引き上げるというものです。

<中野市長>
「クマによる人的被害も過去最悪のペース。(浜松でも)いつそういった事態になるかも分からない。人への被害が及ばないようにこれまでもやっている対策に加え、しっかりとした対策を講じていくことで市民が安心して暮らせる環境を作っていきたい」

後を絶たないクマの出没から地域を守るためにはどうすればいいのか、行政の試行錯誤は続きます。