クマとの間に緩衝地帯 人的被害なくす「原田式ゾーニング」

原田さんが次に向かったのは、食用の鶏などを飼育する市内の養鶏場。
10月下旬、鶏小屋をクマが襲い十数羽が被害に遭った。

原田勝男さん
「ぶっ壊して中の鶏を食ってる。(扉に)肉球のあとが残ってる。相当でかいということだ」
ーー体長はどれぐらい?
「2メートル50ぐらいある」
襲われたその日に、原田さんのNPOでは養鶏場に箱わなを設置。2日目の夜、その回りをうろつく体長2メートルほどのヒグマがカメラに写っていた。
原田勝男さん
「ここは一番危ない。いつまたやられるかと思って」

ーーここに餌があると分かったら?
「何度も来ます。何もしないと昼間から堂々と出る、慣れます」
原田さんは、被害を減らすためにはクマが人の住む場所に出てくる前に、捕獲することが重要だと考えている。その発想から生まれたのが「ゾーニング」だ。
かつて、市街地などでクマの目撃情報が出ると、その場所に箱わなを仕掛けていた。

だが、被害が出てからでは遅いということから、クマと人間の生活エリアの境目に緩衝地帯を設け、そこに箱わなや電気柵を仕掛けた。これが「原田式ゾーニング」だ。
棲み分けをはっきりさせたことで、岩見沢市では20年以上、人的被害が出ていないという。
原田勝男さん
「特にクマはこれにすごく警戒します。クマにプレッシャーになるから出てこなくなる。(ゾーニングが)全国的に広がることによって、クマの被害は減らすことができる」
それでもクマの学習能力が高まっているため、捕獲は年々難しくなっているという。

原田勝男さん
「昔みたいに檻を置けば簡単に入るものではなくなってきた。クマは来ているわけですから、それが入らないということは昔はなかった。クマの性質が変わってきた感じもする」














