紙やプラスチック製の健康保険証が、いよいよ2025年12月1日までを期限に使えなくなります。すでに2024年12月2日から従来の健康保険証の新規発行は停止されており、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」が基本となっています。しかし、長崎市の国民健康保険加入者のうちマイナ保険証の登録率は70.66%(2025年8月時点・国抽出分)。約3割は、マイナ保険証を利用できる状況にはなっていないことを示しています。マイナカードを登録していないと何が起きるのか、どう対応すればよいのか、改めて整理します。

保険証がなくなっても「無保険」にはなりません
従来の保険証の期限が切れても、健康保険の資格自体がなくなるわけではありません。医療機関で保険診療を受ける権利は、これまでと何も変わりません。
変わるのは、窓口で「保険資格を証明する方法」です。12月2日以降、その方法は大きく2つになります。
▶「マイナ保険証」で受診する
▶「資格確認書」で受診する
※「マイナ保険証」とは、マイナンバーカードに健康保険証を紐づけたものを呼びます。
「マイナ保険証」で受診する
マイナンバーカードを健康保険証として利用登録した「マイナ保険証」を使う方法です。厚労省は次の3点を主なメリットとして上げています。
メリット:
▶過去の薬・診療データに基づく、より良い医療が受けられる
▶突然の手術・入院でも高額支払いが不要になる
▶救急現場で、搬送中の適切な応急処置や病院の選定などに活用される
ほかに、医療費控除の申請簡略化などもメリットとして上げられます。
一方、情報漏えいの懸念や国による一元管理への抵抗感などから、マイナンバーカードの制度自体に疑問を持つ人の声も聞かれています。
登録方法は?

マイナンバーカードを持っていれば、医療機関や薬局の顔認証付きカードリーダー、スマホの「マイナポータル」、セブン銀行ATMなどで簡単に登録できます。
マイナ保険証を利用しない
「マイナンバーカードを持っていない」
「持っていても保険証として登録していない」という人には、申請しなくても自動で「資格確認書」が届きます。これまでのプラスチックや紙の保険証の代わりとなるものです。
【誰に届く?】
2025年4月30日時点でマイナ保険証を持っていない人など。
【いつ届く?】
2025年7月下旬から10月下旬にかけて、加入している健康保険(協会けんぽ、組合、自治体など)から順次、自宅に特定記録郵便などで発送されています。
【どんなもの?】
長崎市では従来の健康保険証とほぼ同サイズ(カード型)の書類です。氏名、生年月日、保険者番号などが記載されています。

【どう使う?】
医療機関の窓口で、従来の保険証と同じように提示することで保険診療が受けられます。
【有効期限は?】
最長で5年以内。期限が近づくと自動で更新されます。
※これまでの保険証と同様です。
注意!「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は別物
注意点として、「資格確認書」と見た目が似ている「資格情報のお知らせ」という書類も送付されている場合があります。
▶資格確認書:これ一枚で保険証の代わりになる(受診できる)。
▶資格情報のお知らせ:マイナ保険証利用者が、自分の保険者番号などを確認するための補助書類(これでは受診できない)。
何らかに理由でマイナ保険証による受付が上手くいかなくても、自己負担10割でなく、これまで通りの自己負担額です。病院の窓口などで相談するようにして下さい。














