位置情報を把握する、「紛失防止タグ」を悪用したストーカー事案が急増していることを受け、政府はストーカー規制法の改正案を閣議決定しました。

紛失防止タグを悪用…相談件数はすでに前年超え

山形純菜キャスター:
紛失防止タグは貴重品につけたり、お子さんの見守りとして活用されたりしています。

令和ロマン 松井ケムリさん:
僕は鍵にも財布にもタグをつけていて、なくした鍵が見つかったこともあり、便利に使わせてもらっています。

山形キャスター:
このように紛失防止タグは本来は便利なのですが、今、これを悪用したストーカー事案が急増しているといいます。

全国の相談件数は、2021年は3件だったものが、2024年は370件に増えています。そして2025年は、2024年をすでに上回っているということです。

11日に閣議決定された改正ストーカー規制法案では、相手の承諾を得ずに紛失防止タグを取り付け、位置情報を取得する行為が規制対象に追加されました。今の臨時国会で成立すれば、公布から20日後に施行されるということです。

では、紛失防止タグが今まで規制対象とならなかった思わぬ“盲点”についてみていきます。

位置情報というと、GPS機器などを思い浮かべる方が多いと思います。GPS機器などの「位置情報記録・送信装置」については、相手の承諾なく取り付け・位置情報を取得する行為が2021年8月から規制の対象となっていました。反復して行った場合は、ストーカー行為罪の対象にもなります。

「位置情報がわかる」という意味では、紛失防止タグもGPSも同じだと思われますが、紛失防止タグについては規制の対象外でした。

刑事法が専門である、東京都立大学の星周一郎教授は「法のグレーゾーン、盲点だった」と話しており、その盲点は紛失防止タグの仕組みにあるということです。