多くの人の協力で成し遂げた発見 病気の治療方法開発への第一歩

奥村准教授の研究室のメンバーら

「タンパク質をつくるための新たな区画を発見したということで、そこを標的とした革新的な医薬品開発につながっていくのでは」と期待を口にする奥村准教授。しかし、研究成果を発表するまでには大変な苦労があったと言います。

東北大学学際科学フロンティア研究所 奥村正樹 准教授
「同じことをもう十数年続けているが、地道な実験をやりながら新しいアイデアをいかに出すか」

「“タンパク質の品質管理”の研究というのは今、世界中で非常に熾烈な競争の中にある。チームを率いている責任もあり負けるわけにはいかないと、その一心でやってきた」

奥村准教授が今回の「特別な区画」を発見したのは20191224日、クリスマスイブだったと言います。しかし、そこから裏付けのためのデータ集めなど研究を進めたり、学術雑誌に掲載するための審査を受けたりと、発表までに約6年かかりました。

顕微鏡で発見したPDIA6の集合体


今は十数人いるという研究室の仲間たちや、海外も含め多くの共同研究者らと協力して漕ぎつけた世界的新発見の発表でした。

東北大学学際科学フロンティア研究所 奥村正樹 准教授
PDIA6も寄り集まって新しい機能ができるということで、人も一緒だと思う。“集合”することでより新しいシナジーエフェクト(相乗効果)を生むのではないかと思っている」