糖尿病やアルツハイマーへの効果期待
① 糖尿病治療への期待
インスリンがつくられる仕組みの一端が分かったことで、なぜインスリンがうまくつくれなくなるのか、その原因を突き止める手がかりになります。将来、この「区画」の働きを助けるような薬ができれば、糖尿病の新しい治療につながるかもしれません。
② ALSやアルツハイマー病への応用期待
小胞体の大事な仕事のひとつが「タンパク質の品質管理」です。つまり、おかしな形に作られてしまった「不良品のタンパク質」を見つけて、修理したり、捨てたりするゴミ処理のような仕事です。
ALSやアルツハイマー病は、この「不良品のタンパク質」がゴミのように脳の神経細胞にたまってしまい、神経がうまく働かなくなることで起きると考えられています。
今回見つかった区画は、タンパク質の品質管理に関わる場所とみられます。もし、この区画がうまく働かないせいでゴミ処理が追いつかず、病気が起きていたとしたら?
この区画の働きを元に戻すことができれば、病気の進行を止めたり、予防したりする、これまでにない革新的な治療法が生まれる可能性があるのです。
簡単にまとめると・・・
≪今回の発見は、「小胞体は、ただのだだっ広い部屋ではなかった。仕事によって専用の区画がある、もっとハイテクな部屋だったんだ!」という、未知なる細胞内の世界の一つを解き明かした、とても大きな一歩と言えます≫














