幻の高級魚=クエの味を受け継ぐ魚として期待され全国的に養殖が進む「クエタマ」。このクエタマの養殖に参入した静岡県内企業の事業が本格始動しました。クエに負けない魚と寿司職人も太鼓判を押しています。
11月6日、静岡市清水区で竣工式が行われた陸上養殖場。この場所で新たな養殖プロジェクトが本格始動しています。
<坂口将也記者>
「養殖されるクエタマはコンテナの中で稚魚から育てられます。またこの中にいるのは育てられてから1年ほど経ったクエタマで、体長は50センチを超えているということです」
この養殖場で育てられる「クエタマ」は、「幻の高級魚」として知られるクエと、クエと同じハタ科で最大で体長が2メートルにもなるという「タマカイ」を交配して生まれたハイブリッド種です。
クエの魅力は残しながらも、1年程度で出荷サイズの大きさになるなど、養殖クエ(通常5年程度)に比べて成長スピードが速いことが特徴です。
クエタマの養殖を手掛けるのは、エネルギー事業をメインに展開する静岡ガス。将来的に不足が心配される肉や魚などの「タンパク質」の新たな食材を探そうと、2024年から試験的に始めたクエタマ養殖を本格的にスタートさせました。
竣工式に参加した静岡市の難波喬司市長も期待を寄せます。
<静岡市 難波喬司市長>
Q.クエタマどうですか?
「あれは美味しそうですね。まさにクエですね。白身のおいしい魚だと思います。食べてみたいですね」
この施設では、年間6000尾のクエタマが養殖される予定です。
<静岡ガス未来価値共創担当 橘髙大輝さん>
「新しい流通を増やして、地域のお客様に買っていただけるような、名産となるようなものを目指してやっていきたいと思います」
期待が高まるクエタマ。気になるのはそのお味ですが、クエタマをさばいた経験をもつ老舗寿司店に聞くと、クエに負けない味わいだと太鼓判を押します。
<末廣寿し本店 望月達矢親方>
「食べた感じも、大きいクエの身と大して変わらない感じで、すごい噛み応えもあって。良い状態のクエに近い味でしたね」
通常のクエと同じ食べ方がオススメだといいます。
<望月親方>
Q.クエタマはどんな料理に合う?
「やっぱり刺身。刺身か寿司。鍋にも全然使えると思います。いま本当、近海の魚が少ないので、常にある魚として流通するようになったら本当ありがたいと思います」
「幻の高級魚」を日常的に。静岡生まれの「クエタマ」は、2026年秋ごろに初出荷される予定です。














