なぜ?政治的には「ブラボー」 ”水と油”共闘も

―――岸田総理は、連立を組む公明党への配慮があり、さらに共闘している立憲・維新の野党にも耳を傾けるというようなことが今までありました。この立ち回り方に関してカードはいかがでしょう。

これは「ブラボー」。うまく野党を取り込みました。元々野党が無理筋でマインドコントロールとかいろんなこと言っている中で、うまいこと取り込んだ。僕は野党は徹底的に戦って欲しかったね。野党の方も世論を気にして、ここで法案に賛成しないと、旧統一教会の被害者救済に後ろ向きなんじゃないかと、だから賛成したんですけども、どうせ最後に決めるのは与党なんだから、野党はその筋の通りやすい理論で言った方が、おそらく今の法案よりも被害者側の方はみんな応援してくれると思う。だって今回の法案は、被害者の人たちはみんな使いもんにならないって言ってるでしょう。

―――不十分だけど、大きな一歩と評価する方もいらっしゃる。

ゼロではない。でも法案作るときに一番欠けてるのは、消費者契約法の中に霊感商法は取り消しできますよという規定が入った。その規定を使ってどれだけ裁判で勝てたのか不都合があったのか、そのデータは何にもないんです。何にもない中で、「困惑」とかいろんな言葉を使ってやるんだけども、僕はこれ裁判ではなかなか使えないと思います。もっと徹底的に攻めて欲しかった。

―――今回の野党共闘はいかがですか?「水と油」の立憲と維新が手を組むなんて橋下さんの時代じゃ考えられないでしょう。

あのね、立憲と維新が本当に水と油だった原因は僕だったんです。僕がいなくなったらきちっと話ができますから、こういう形でタッグを組んだ上に与党に迫っていけたと思うんですよね。いきなり一つの党になってしまうと有権者からは、また選挙のために一つになったのかって言われるけれども、今回は選挙のためじゃなく与党を追い込むために共闘して、実際に与党が動いたわけだから僕は一つ、国会のあり方として岸田さんブラボーだけど、野党も一緒に組んだところは「ブラボー」です。

(三澤解説委員)野党は100点を目指すと言ってましたんで、100点にできるだけ近づいていくのかなというふうに思ってたんですけども、最後の最後で「十分な~」の一言で配慮義務が決まってしまったところは、私は腰砕けになりました。ここの落としどころはすごく残念でした。

(橋下徹氏)マインドコントロールのところの文言で争ったら、これは完全に与党に分があります。与党が意思の問題を持ち出して、民法の全体の体系とか、法律全体の話を持ち出してガチンコで議論したら、僕は与党の方が分があると思うから、今回の戦い方で言ったら、野党はあそこで矛を収めるしかないと僕は思うんだけど、だから戦い方のところで僕は額のところで迫って欲しかった、最後までね。だけどこういう形で与野党がぶつかって、一つの法案ができることはいいことで、ブラボーは出したけど、全体としては「レッド」だからね、法案は完全に世論迎合型だからね。