「“劇薬”を期待する雰囲気」 左右のポピュリズムに揺れるNY
マムダニ氏当選の背景には、トランプ氏への失望もあったと専門家はいいます。

慶應義塾大学(現代アメリカ政治)渡辺靖 教授
「大型予算案が通りましたけど、富裕層に対しては減税が維持されて、労働者層の人が頼りにしていた、保険医療に関する予算などが実質的には削られていく方向になった。確かに株価は連日高騰しているが、物価が沈静化する兆しはないし、解雇も相次いでいる。トランプ氏を支持した人であっても、自分の生活が良くなっていないという失望感が大きい」
勝利宣言でもマムダニ氏は、鋭くトランプ氏を批判しました。

マムダニ氏
「トランプのような億万長者が税金を逃れ、減税を悪用してきた。腐敗の文化に終止符を打つ」
結果として、過激とも思える主張であっても、有権者はマムダニ氏を支持したのです。
ニューヨークの街の人
「ここは本当に住みにくくなってしまった。彼(マムダニ氏)なら変えてくれると思う」
「多くの人の利益になる社会主義者を選ぶことは、世界のモデルになると思う」
資本主義の聖地ニューヨークで、社会主義的な政策を訴える市長の誕生。その意味を、渡辺教授は…

慶應義塾大学(現代アメリカ政治)渡辺靖 教授
「現状不満を多くの国民が持っていて、左にしろ右にしろ、過激なアプローチ、劇薬を期待するような雰囲気が出てくる。そういう意味では、トランプ氏が躍進するのも、マムダニ氏が躍進するのも同じなのかなという気はします。
左右のポピュリズムへの遠心力が働いていくわけですから、民主主義にとって非常にまずい状況。民主主義国家が、権威主義国家に劣化していくときの教科書に書いたような構図。そういう傾向が世界の中で広がっている」
今回のニューヨーク市長選の結果は、今後の世界を占うものとなるかもしれません。














