いよいよ秋の深まりを感じる紅葉の季節がやってきます。今年(2025年)の紅葉の見頃はいつ頃なのでしょうか?(アーカイブマネジメント部 萩原喬子)

「紅葉狩り」は平安貴族の優雅な遊び

なぜ紅葉見物を「紅葉狩り」というのか知っていますか?諸説ありますが、平安時代に貴族が紅葉を愛でるために野山に分け入った様子が「狩り」に似ていたことから、紅葉見物を「紅葉狩り」と呼ぶようになったと言われています。また、枝を折って手元で鑑賞していたことも狩りのような行為と結びついたという説もあります。

左:「古代江戸繪集 通天橋紅楓ノ図」(出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」)/右:東福寺通天橋(京都)

紅葉の主役の意外な由来

美しい黄金色に染まる紅葉の主役の一つ「イチョウ」。この漢字には「銀杏」や「公孫樹」の他に「鴨脚樹」という表記が使われることがあります。

これは中国でイチョウの葉の形が「アヒルの足(鴨の足)」に似ていることから、「鴨脚(ヤーチャオ)」と呼ばれたことに由来すると言われています。諸説ありますが、この中国語の呼び方が日本に伝わる過程で「イチョウ」という音に変化したという説があります。

鴨脚(ヤーチャオ)がイチョウになったと言われています(諸説あり)

一方、鮮やかな赤が特徴的なカエデは、その葉の形が「カエルの手(蛙手)」に似ていることから「カエルデ」と呼ばれ、そこから「カエデ」になったと言われています。

蛙の手に似ていることからカエルデ→カエデになったと言われています。(諸説あり)