地域によって有権者の数が異なることから生じる「一票の格差」。
3倍を超えた今年7月の参議院選挙は、憲法違反で無効だとして弁護士グループが訴えていた裁判で、広島高裁松江支部は4日、違憲状態とする判決を言い渡しました。一方、選挙の無効の訴えは退けました。
「一票の格差」が、最大3倍を超えた状態で、今年7月の参議院選挙が行われたのは、憲法に違反しているとする弁護士グループが、選挙の無効を求める訴えを全国で起こしているこの裁判。
広島高裁松江支部は4日、違憲状態とする判決を言い渡しました。
判決理由の中で、寺本昌広裁判長は「立法府において格差の是正に向けた実効性のある検討や取り組みが続けられてきたものとは評価しがたい」などと述べました。
一方で、「選挙区の定数配分は、広く国民の理解も得ていく必要があり、一定の時間を要する」として、選挙の無効の訴えは退けました。
久保利英明 訴訟代理人弁護士
「これから出てくる判決もありますから、そういう裁判官たちにも(今回の判決は)、印象づけたのではないか。流れが大きく変わったと私は考えます」
一票の格差をめぐるこの裁判は、全国14の高裁・支部にあわせて16件の訴えが起こされていて、この判決で「合憲」が4件、「違憲状態」が4件となり、判断が割れています。
  













