魚の種類に合わせた「締め」で鮮度保つ

本田さん
「その日にならないとどういった魚がとれるか分からないし、よくも悪くも、とれない日もあればとれる日もあるので、日々変わるのがおもしろいですね」

この日1番の大漁でした。およそ2時間の漁を終えて漁港に戻り…魚を締めて鮮度を保ちます。

本田さん
「やっぱり数をとるので、締めかたは勝手に身についていきます」

脳天締め、神経締め、血抜き…魚の種類によって使い分けます。この日とれたのはブリ6匹にタイ10匹、ヒラメ5匹に豆アジ100キロほど。まずまずです。本田さんは、対岸にある北九州の市場に向かって船を出しました。

本田さんを支える仕事仲間

この日は、いきつけの居酒屋で仕事仲間とテーブルを囲みました。

本田さん
「情報交換もあって、なかなか大切な時間かなと思います。交流って漁師にとって1番大事なことなので。すごく楽しいですよ、ほっとするというか」

店は本田さんが魚を卸している取り引き先でもあります。メインは本田さんがとったタイ。仕事の話にたあいのない話、魚をあてに酒と話が進みます。

本田さんは、中学から大学まで福岡県で学生生活を送りました。

本田さん
「大学では、経済学と法律のことを勉強しました。ちょっと不動産のほうは考えたんですけど、やっぱり魚に携わる仕事をしたいなぁと思って」

Uターン後、仕事の厳しさを教えてくれたのは父親の幸則さんでした。

漁の師、父の背中を追う

本田さん
「父親から教えられたことで、船の扱い方が1番心に残ってますね。1つ間違えただけでいろんなもんが飛んできたので…それが1番心に残ってます。父親はもう追いつけない存在ですね。親を超えることってなかなか難しいというか、無理やなって思うし」

父親は師匠であり、一番応援してくれる人でもあります。

本田さん
「僕はもう体が動かなくなるまで漁師を続けたいなと思います。それが漁師だと思ってるし」

そんな本田さんを仲間は…

下関市の職員
「一番最初に携わった仕事でお会いした漁師さんなので、自分の中でもすごく印象に残っていて。自分としてはすごく大事にしている人ですね」
別の下関市の職員
「これから地元を代表する漁師さんになってほしいなと僕は思ってます」
同期の漁師
「やっぱり若い人らが力を上げていかないと、水産業っていうのは衰退していくと思うので。お互いライバルじゃないけど、一生懸命やっていける連れかなって感じですね」

仕事を通じて出来た仲間は、本田さんの大きな財産です。

危険・重労働でも「漁師は天職」
~魚の魅力伝え、ブランド化目指す

本田さんには、夢があります。

本田さん
「目標は、実際のところどんどん魚が少なくなっていくので、今とれた魚を上手に締めて、価値を付けてブランド化させたいというのが目標ですね」

朝市などで、魚のおいしさを伝える活動を続けています。
漁師は、決して楽な仕事ではありません。

本田さん
「危険なこともあります。定置網はわりと強風やしけには強いので、しけの日に行ったりすることもあるので。そのときはすごく神経も使うし、重労働だし、普通以上に大変ですね。怖い目にもあうし」

それでも、「漁師は天職だ」と語ります。本田さん
「漁師が少なくなっていく中で、重宝されていくというのもあるし、なんて言えばいいかな…僕は天職かなって思いますね。ブランド化など、いろいろと幅広くやっていけるので」

夢に向かって…本田さんの漁師人生はこれからも続きます。