「富山モデル」への期待と全国への展開
この日は、科学技術によって女性の身体的、ライフステージの悩みを解消する施策を進める衆議院議員の野田聖子氏が講演したあと、トークショーが開かれました。
トークショーは女性医療ジャーナリストの増田美加さんがコーディネータを務める中、意見交換となり、まず富山県の乳がん検診受診率が52%と全国平均の47%を上回っている状況が報告されました。
これについて、富山大学附属病院の倉田典子看護師長は「富山県の乳がん罹患率は全国45位で、新たに乳がんと診断される人は増えている。一方で死亡率は18位と低く、現状としては検診によって早期発見・治療につながっている」と分析しました。
これを受けて野田氏は「富山モデルとして確立し、全国の都道府県にアピールしていくことが重要だ」と期待を示しました。
また、富山県議会議員で婦人科の医師でもある種部恭子氏は「自治体の検診については地方議員が旗を振る人がいると受診率が大きく変わる。一人でも多くの人に声をかけていくことで周りに波及していく」と地域での取り組みの重要性を強調しました。

女性は忙しい、自分の時間も確保できない…
検診受診率の向上について議論が深まる中、企業での健康診断における課題も浮き彫りになりました。種部氏は「企業の管理職や人事部に女性がいるところは検診のリマインドが多いが、そうでない企業では検診の機会すら提供されていない場合がある。罰則を設けるべきだ」と制度改革の必要性を指摘しました。
野田議員も「女性は暇だと思われているが、実際はとても忙しい。主婦も働く女性も、自分のための時間を確保できないのが現実だ」と女性が置かれた状況への理解を求めました。その上で「いつでも(健診に)行ける体制づくりが必要で、地方から声を上げていくのが最も効果的だ」と地域主導での改革を促しました。














