秋田県知事が自衛隊派遣を要請 過去にはトドも…?

こうした中、自治体も新たな対策に動きました。秋田県の鈴木知事は小泉防衛大臣と面会し、クマ被害への支援のため自衛隊の派遣を要請しました。

秋田県 鈴木健太 知事
「防衛省・自衛隊の力を借りなければ、国民の命が守れないという状況に今なっております」

その小泉大臣はクマによる被害をこう呼び、危機感を強めました。

小泉進次郎 防衛大臣
「これは防衛省だけでなくクマ害といいますか、どのように向き合うかを政府全体で考える必要性も出てきてる」

鳥獣対策で自衛隊が派遣されたことは、過去にもあります。

2011年、北海道・白糠町ではエゾシカによる農作物の食い荒らしなどが“災害級”の被害になったため、自衛隊に協力を要請。自衛隊はヘリコプターを使ってシカの位置を伝えたり、死骸を運んだりする作業を担当したといいます。

しかし、1959年には自衛隊がトドに機銃掃射を行っていました。この時、北海道・新冠町ではトドがアミを食いちぎるなどの被害が深刻化。

町によると、地元の漁業組合が駆除に失敗したため、当時の新冠村が自衛隊に駆除を頼んだといいます。ただ、町の資料館によると、当時の射撃の名目は「駆除でなく訓練だった」といいます。

今回、秋田県が要請した支援は、武器の使用を伴わない罠の設置や捕獲・駆除したクマの輸送など。秋田県側は「自衛隊の派遣に前向きな回答をいただいた」としています。ただ、小泉大臣は…

小泉進次郎 防衛大臣
「自衛隊は何でも屋ではありませんから、過度な負担が様々増えて、本来、最も大切にしなければいけないこと、(国防の)練度が下がったり、熟度が下がるようなことがあってはならない」