沖縄市の動物園「沖縄こどもの国」で、採血作業中の飼育員がメスのゾウ「琉花(りゅうか)」に転倒させられた後、鼻と前脚で圧迫され、骨折などの重傷を負う事故が発生した。

インドゾウの「琉花」


園によると、事故は10月22日午後4時40分頃、インドゾウのメス「琉花(25歳)」の定期採血作業中に発生した。

飼育員3人と獣医師を含む監視役2人の計5人体制で作業を行っていた際、突然ゾウが頭を振り、エサを与えていた飼育員を転倒させた。さらにゾウは、倒れた飼育員を鼻で引き寄せて、両前脚と鼻で数秒間圧迫したという。

ほかの飼育員2人がゾウを制止し、飼育員は救急車で病院に搬送されたが、右肩甲骨と肋骨を骨折したほか、軽度の肺損傷も認められた。飼育員は事故発生直後から意識ははっきりしていて、会話もできる状態だったという。

園では再発防止策として、ゾウと同じ空間で直接作業を行う方法を改め、檻や柵越しに健康管理を行うよう業務手順を変更した。マニュアルの改定や他の動物園との情報共有も進めるとしている。また、当面の間ゾウへのエサやり体験を休止している。

園は取材に対し「ゾウにはまったく非が無く、今後もゾウを見に来た皆様が安心してご覧いただけるよう取り組んでいきます」とコメントした。

園は事故発生から2日後にホームページで情報を公開していたが、報道機関には連絡していなかった。