兵庫県の斎藤元彦知事のパワーハラスメントなどを告発した元県民局長の私的な情報を、県の元総務部長が漏えいした問題をめぐり、斎藤知事が提出した“自らの給与をさらにカットする”条例案。兵庫県議会の9月議会でも採決されず、再び「継続審議」となりました。

 兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラなどを告発した元西播磨県民局長の私的な情報が、外部に漏洩された問題をめぐっては、県の第三者委員会が今年5月に最終調査報告書を公表。

 第三者委は、元総務部長の井ノ本知明氏が県議会議員3人に情報を漏らしたと認定したうえで「斎藤知事および片山安孝元副知事の指示のもと、県議らへの『根回し』の趣旨で漏洩を行った可能性が高いと判断せざるをえない」と指摘しました。

 この調査報告を受け、県は井ノ本氏に停職3か月の懲戒処分を下しました。井ノ本氏は、現在は県参事(競馬組合副管理者)として職務復帰しています。

 斎藤知事自身は漏洩の指示を否定していますが、「保有文書を適正に管理すべき立場にある組織の長としての責任を重く受け止める」として、すでに3割カットされている自らの給与について、今年7月~9月の3か月間は「5割カット」とする条例案を県議会の6月議会に提出。

 しかし、県議会からは「問題の全容が解明されていない」「給与カットでの幕引きは許されない」という意見が相次ぎ、6月議会での採決は見送られ、継続審議となっていました。

 しかし、きのう22日に閉会した9月議会でも、「大学教授らが行った斎藤知事に対する刑事告発への処分が確定していない」などの理由で、採決は見送られました。

 条例案は12月議会で再び審議されることになります。

 斎藤知事は、“必要に応じて対象月を変更する以外は、条例案を修正するつもりはない”という姿勢を示しています。