今シーズン好調に推移していた小型イカ釣り船による「スルメイカ漁」が20日から当面の間、休漁することになりました。全国の漁獲可能量=TACの枠を超えたためで、関係者には困惑の声が広がっています。

大漁を祈願する旗が風にはためく小型イカ釣り船。
青森県小型いか釣漁業協議会は漁期の半ばにも関わらず、小型イカ釣り船でのスルメイカ漁を20日から自主規制することを決め、関係者には困惑の声が広がっています。

三沢市漁協 山本優さん
「(スルメイカ漁を)自主規制したが、来年増えるのかどうかも不安視されるので、漁業者にとっては目の前にイカがある状態で止められるのは非常に苦痛」

足かせとなったのは、水産庁が管理する漁獲可能量=TACです。
小型イカ釣り船のTACは今年度は全国で4900トンでしたが、青森県も好調に推移し、9月末時点で水揚げ量は5840トンと枠を超えていました。

これを受け、水産庁が漁獲を禁止する可能性があるとし、県の協議会は北海道、岩手県とともに自主規制を決めました。

八戸市の卸売業「八戸魚市場」では、2025年の水揚げは好調に推移していて残念とした上で、2026年以降のために対策を講じたいとしています。

八戸魚市場 林崎孝志 常務
「こうなったのはしょうがないと受け止めるしかない。巻き網(漁)が、八戸港に水揚げが少ないなかで、それをカバーするのがスルメイカだった。その矢先の休漁で非常に残念。来年はこういうことのないように働きかけていきたい」

魚市場は10月29日に八戸市などとともに水産庁に漁獲枠の拡大などを要望する予定です。