今年に入ってから増加しているのが、人が暮らす場所に出没するクマ。AIの力で、こうしたクマとの遭遇リスクの回避を目指す最新研究を取材しました。

クマの出没が相次いでいる青森県むつ市。きのう保育園の畑に現れたのが、体長およそ1メートル20センチのクマ。

お腹がすいているのでしょうか?クマがキウイや木の実がなっている木をゆすり拾って食べる様子が…

クマを目撃した 佐々木孝子さん
「びっくりしました。ここから出たら襲われるのではと思って、戸を開けるということはしませんでした」

クマの出没は開園前で園児などにけがはなかったと言うことですが、保育園の中まで入ってきたのは初めてだと言います。

クマの被害はこちらでも。きのう午前4時すぎ、秋田県湯沢市にクマが出没。

クマは自動ドアから建物に入り、15秒ほどで出ていきました。

玄関にはクマのものでしょうか、血痕が…。

その後、近くの住宅地で男性4人が立て続けに襲われけがをしました。現場近くの民家に逃げ込んだクマはまだ捕獲に至っていません。

今年に入ってから人が暮らす場所にクマが出没するケースが増加しています。

こうした中、上智大学の研究チームが開発したのが…

上智大学大学院 深澤佑介 准教授
「AIの技術を用いて秋田県や東北地域のクマの出没を予測するというもの」

今年9月までの3年間に秋田県内でツキノワグマが出没した時などのデータをAIに学習させた上で、どういった場所でクマと遭遇する危険があるかを予測し知らせるシステムです。

きのう、秋田県で男性4人がクマに襲われたケース。この地域でのクマの遭遇予測を見せてもらうと…

上智大学大学院 深澤佑介 准教授
「この周辺ではクマの遭遇が過去にはなかった。(今は)『高い』という予測になっている」

過去の出没は報告されていませんが、市街地でもクマに遭遇する可能性が高いという予測が出ていました。

今回、開発したシステムには東京都内でのクマとの遭遇予測も掲載されています。

上智大学大学院 深澤佑介 准教授
「特に奥多摩、やはり西の方がリスクが高い結果になっている」

予測した的中率は…

上智大学大学院 深澤佑介 准教授
「実験条件では6割程度になっている」

現時点での的中予測は6割程度。システムは誰でもインターネット上で見ることができることから、危険を少しでも防ぐのに役立ててほしいと言います。

上智大学大学院 深澤佑介 准教授
「これまで(クマが)出たことがなかった場所でも(このシステムを見て)警戒してもらえたらなと思う」