■成長が早く、高騰しているエサ代や電気代の節減に

ヒラメの病死を減らすため木野さんが相談したのが別府市にある「サラビオ温泉微生物研究所」。温泉に生息する微生物を研究していて、2011年に抗炎症作用と免疫力と高めるとされる微細藻類「RG92」を発見し、高速の培養方法を確立しました。
この「RG92」といわれる成分がヒラメに影響しているといいます。

(サラビオ温泉微生物研究所・濱田茂会長)「たまたま私たちの特異な部分の性質がヒラメでもいけるのではと話をもらって病気が何とかクリアできなかと。生産者たちがもっと活気づくようになれば、少しでも役に立てるのかなと思う」

佐伯市の飲食店「遊酒処のん喜」。この店では事前に予約すれば温泉成分で育てられたヒラメを味わうことができます。


(安部記者)「コリコリですね。弾力があって、かみ応えがあります。臭みもなく、かめばかむほど甘さが広がります」

(遊酒処のん喜向島店・後田祐樹店長)「包丁を入れた時に弾力を感じる。新しくできたブランドなので、ぜひみなさんに一度味わってほしい」

生産効率だけでなく味にも手応えを感じている木野さん。温泉成分が物価高騰で苦悩する養殖業界の起爆剤になればと話します。

(友永工業水産事業部・木野雄貴さん)「エサ代、電気代も高騰していて、その点で太りが早いのはメリット。まずは地元・大分県民の人が食べて美味しいと言ってくれる魚になってほしい」

温泉成分で育てたヒラメは「温藻(おんそう)ひらめ」という名前でブランド化。大分県内と関東を中心に12月中旬から順次出荷が開始されます。