プロ野球の未来を担う逸材たちが運命の日を迎える。23日に行われるプロ野球ドラフト会議で吉報を待つのは、最速153㎞を誇る宮崎・延岡学園の藤川敦也(17)だ。「敦也」の名前の由来は両親がファンだという、ヤクルトで活躍した古田敦也さんから。ドラフト当日に18歳の誕生日を迎える右腕が、亡き父・真一さんとの約束を胸に夢の舞台へ挑む。

野球を始めたきっかけについて「お父さんが野球をしていて、試合を見に行っていたので、自然と少年野球チームに入って」と話した藤川。中学時代から130㎞を超える球速で地元(福岡・飯塚市)では名が知られており、多くの高校から誘いがあったというが、宮崎でも有数の名門、延岡学園に進学した。「県外にでることで覚悟が決まるというか、自分のなかで一人でやっていくという覚悟が決まると思ったので」と自ら、環境の変化を選んだ。

その覚悟はすぐに結果として現れた。自慢のストレートを武器に1年秋からベンチ入りを果たすと高校2年の春には宮崎大会で最速153㎞を計測。「スピードはやっぱり重要だと思う。スピードをずっと追い求めていきたいなと思っています」と、藤川は言葉に力を込める。高校3年間で甲子園出場は叶わなかったが、侍ジャパンU-18代表の春の候補合宿に名を連ねるなど、九州を代表する右腕に成長した。