島根県松江市に住む80代の男性が、検察庁の検事を名乗る電話の指示で1200万円余りを振り込み、だまし取られていたことが分かりました。松江警察署が17日明らかにしました。

警察によると先月9日、男性の携帯電話に検察庁の「奥野」を名乗る男から電話がありました。

奥野は「大金を動かしている犯罪組織があり3人を逮捕している。その事件を捜査していた所、あなたに犯罪の報酬が入っている疑いで事件の容疑者になっており、捜査に協力して欲しい」と話しました。

さらに「あなたの持っている財産が犯罪収益ではないか調べる。指定された口座に送金してもらえば捜査ができる。犯罪収益でないことが確認できれば振り込まれたお金は返す」などと現金を振り込むよう指示しました。

奥野が本物の検事だと信じた男性は、SNSアプリのLINEで通話とメッセージ機能を使い毎日のようにやり取りしながら、先月9日から今月7日までに計26回、1240万円を指定された個人名義や法人名義の口座に振り込み、だまし取られたということです。

振り込みは全て市内の金融機関のATMからで、先月9日と10日がそれぞれ3回(50万円・30万円・50万円と50万円・30万円・30万円)、これ以降は26日、27日、29日、30日、今月1日、2日、3日、4日、6日、7日に50万円を2回ずつでした。

不審な振り込みが続いていると金融機関が7日に県警本部へ連絡し、松江警察署員が男性に接触して、その日の内に被害届が出されたということです。

警察では、警察や検察が捜査などの目的でお金を要求することはなく、SNSで連絡することもない。「あなたが捜査対象になっている」などの電話があったらいったん電話を切って最寄りの警察署などに相談して欲しい、と呼び掛けています。