「私は異次元の存在」「死刑になるために来た」
裁判は結審した。初公判以降、黙秘を続けてきた青木被告。ここまでの法廷では、時折あくびをしたり、居眠りをしたりするなど反省の様子は全く見受けられなかった。

しかし、最後に裁判長から問いかけられると、突然口を開いた。
裁判長:「何か言いたいことはありますか?」
青木被告:「私は異次元の存在だから、迫害を受けて、人を殺して死刑になるために来た。もう二度とプレイしない。被害を受けた人には埋め合わせがあるだろう。中の人たちを傷つけて申し訳ない。ここは私にとって仮想空間なので、プレイという表現になった」
傍聴席からも聞き取れないほどの消え入りそうな声でこのように話した青木被告。その後しばらく黙り込み、裁判長から「もういいですか」と問われると、うなずいた。青木被告の真意が測りかねる発言に、法廷には困惑が広がった。
死刑判決 「私たちの悲しみと苦しみが消えることはない」
10月14日火曜日、判決公判を迎える。長野地方裁判所には、21の一般傍聴席に対し508人が列を作った。長野地方裁判所1号法廷で午後1時半に開廷した。グレーの長袖シャツを着た青木被告が、証言台の席に座る。裁判長は、通常、最初に言い渡す判決の結論にあたる「主文」を後回しにし、判決理由から読み上げた。
裁判長は「被告人は当時、善悪を判断し行動をコントロールする能力を特に問題無く、保っており、完全責任能力を有していたと認定することができる」とした上で、「短時間のうち4名もの人々の尊い命を奪ったのであり、強固な殺意に基づく残虐極まりない犯行である。殺人行為を重ねてもなお淡々とし、人の生命を軽視してはばからない様子には、戦慄を覚えずにはいられない」と続けた。そして、「酌量の余地など皆無であり、極めて厳しい非難に値する」 と述べた。

判決理由が読み上げられている間、青木被告は前後左右に体を揺らしたり、うつむいたりと落ち着きのない様子が見受けられた。 そして、判決理由の読み上げ開始からおよそ30分後。
裁判長:「主文、被告人を死刑に処する」
青木被告に対し、求刑通り死刑判決を言い渡した。死刑判決を言い渡された際、取り乱すような様子はなかった青木被告。遺族に目を向けることなく法廷を後にした。判決を受けて、亡くなった4人の遺族がコメントを出した。